昔は「上司が怖い」「怒られる」がストレスの中心でした。
でも今は、別の疲れ方が増えた気がします。
- 指示は丁寧なのに、何を優先すべきかが分からない
- 「いい感じで」「任せる」と言われて、結局あとで直しが入る
- 決めるべきことが決まらないまま、進めるしかない
- こちらは頑張って説明しているのに、要点が噛み合わない
誰かを悪者にしたいわけじゃない。
ただ、曖昧さが残ったまま仕事が動くと、心も時間も削られます。
この記事では「メンタルを強くしよう」ではなく、
**曖昧な状況でも前に進むための“手順”**をまとめます。
まず前提:悩みは能力じゃなく「混線」から生まれる
悩みが重いとき、頭の中はだいたいこうなっています。
- 起きたこと(出来事)
- 自分の意味づけ(解釈)
- 体の反応(不安・焦り・イライラ)
- 「どうせまた…」という追加ストーリー
これが団子になって、思考が渋滞します。
渋滞すると、優秀でも止まります。
だから最初にやるのは、解決策探しではなく “ほどく” ことです。
ステップ1:悩みを3行に分ける(ここが一番効く)
メモに、これだけ書きます。上手に書こうとしない。
① 事実(カメラに映ることだけ)
例:
- 「会議で方向性が決まらなかった」
- 「上司が“微妙”と言った」
- 「仕様が途中で変わった」
※「軽く見られた」「否定された」は“解釈”なので、ひとまず次へ。
② 解釈(頭が付けた意味)
例:
- 「またa案が正解だったのかも」
- 「また手戻りする」
- 「自分の説明が悪いのかな」
ここは正誤を問わず、とにかく書き出します。
③ 感情(名前+強さ)
例:
- 不安 7/10
- 焦り 8/10
- イライラ 5/10
これだけで、悩みが「塊」から「部品」になります。
次は、曖昧さを減らすために“情報を取りに行く”段階です。
ステップ2:「質問」より「選びやすい形」で確認する
曖昧な仕事で疲れる原因の一つは、こちらがこう聞いてしまうことです。
「どうしたらいいですか?」
「方向性、どうしましょう?」
相手が悪いわけではなく、答えが作りにくい聞き方になりがちです。
なので、確認の仕方を変えます。
ここからの基本ルール
答えを作らせるより、選べる形にする。
この発想に変えるだけで、やり取りの消耗が減ります。
すれ違いを減らす「3つの型」(そのまま使える)
型A:A案/B案で選んでもらう(最短で進む)
叩き台として2案作りました。
A:納期優先(品質は最低ライン)
B:品質優先(納期は+2日)
現状だとどちらが良いか、ご判断いただけますでしょうか。
相手は「答えを作る」必要がなくなり、「選ぶ」だけになります。
型B:最優先を1つだけ聞く(混乱を減らす)
方向性を揃えたいので、まず最優先で直す点を1つご教示いただけますでしょうか。
(結論/根拠/構成のうち、どれが最優先でしょうか)
一気に全部聞かない。1つに絞るのがコツです。
型C:ゴールの枠を3点で固定する(手戻りを減らす)
認識合わせのため確認です。今回のゴールは、
- 対象(誰向けか)
- 目的(承認/共有/議論 など)
- 最優先(納期/品質/コスト) の3点で合っていますでしょうか。
「いい感じ」が「条件」に変わるので、後からブレにくくなります。
例:「微妙」と言われたときに、沼らない進め方
「微妙」と言われると、頭の中でこうなりがちです。
- 何がダメなんだろう
- 自分が悪いのかな
- また作り直し…
- 評価が下がるかも
でも、ここで“当てに行く”ほど沼ります。
なので、当てません。切り分けて確認します。
① 3行で整理
- 事実:上司が「微妙」と言った
- 解釈:否定された/手戻りする
- 感情:不安 7/10、焦り 8/10
② 次の一手(選べる形で投げる)
チャット例(角が立ちにくい版):
ご確認ありがとうございます。修正の方向性を揃えたいので、まず下記のうち一番気になる点を1つご教示いただけますでしょうか。
①結論 ②根拠 ③構成
最優先の1点から直して、再度お持ちします。
さらに進みが速い版(叩き台で選ばせる):
ご確認ありがとうございます。叩き台として2パターン作ります。
A:結論先出しで簡潔/B:根拠厚めで説得重視
今回はどちらの方向が近いでしょうか。
「分け方が多くて混乱する」人へ:手順はこれ以上増やさない
この記事の手順は4つで固定します。
- 事実(起きたこと)
- 解釈(頭の意味づけ)
- 感情(名前+強さ)
- 次の一手(相手が選べる形にして確認)
迷ったら、4だけやればOKです。
“選べる形”にするのが、この手順のゴールです。
コピペ用テンプレ:曖昧な仕事を進めるメモ
- 事実:
- 解釈:
- 感情(/10):
- 次の一手(10〜20分で作れる確認・叩き台):
A/B案:
叩き台として2案作りました。A:__ B:__。どちらが良いでしょうか。
最優先1点:
最優先で直す点を1つご教示ください。(①__ ②__ ③__)
ゴール3点:
対象:/目的:/最優先:__ で合っていますでしょうか。
最後に:曖昧さは“才能”ではなく“手順”で処理できる
曖昧な環境にいると、消耗します。
でも、消耗の大半は「相手のせい」ではなく、曖昧さが残ったまま頑張ってしまう構造にあります。
- ほどく(3行)
- 選べる形にして確認する(A/B・最優先1点・ゴール3点)
この2つができるだけで、仕事の止まり方が変わります。
今日、もし何かモヤっとしているなら、まずは1回だけ。
「事実」を1行書いて、A/B案の形にしてみてください。
進む感覚が戻ってきます。