「社会人としてのセキュリティリテラシーを高める方法」(第4回/全8回)

投稿日:2024年5月12日 | 最終更新日:2024年5月14日

4.SNSやブログでの情報発信における注意点:プライバシー設定と適切な情報共有

こんにちは。前回は、フィッシング詐欺の手口と対策について解説しました。今回は、SNSやブログでの情報発信における注意点を取り上げます。

SNSやブログは、自分の考えや経験を発信したり、他者とコミュニケーションを取ったりするのに便利なツールです。一方で、不適切な情報発信によるトラブルも増えています。

  • SNS上のトラブルに関する相談件数は、年間で約1万5千件に上る(国民生活センター調べ)
  • 企業の採用担当者の7割以上が、応募者のSNSをチェックしている(リクルートキャリア調査)
  • SNS上の誹謗中傷による被害額は、1件あたり平均で約300万円に上る(法務省調べ)

安全で適切なSNSやブログの利用には、プライバシー設定と情報共有のルールを理解することが不可欠です。

■プライバシー設定の重要性

SNSやブログには、プライバシーに関する設定項目があります。これらを適切に設定することで、自分の情報を守ることができます。

公開範囲の設定

投稿の公開範囲を、「公開」「友達まで」「自分のみ」などから選択できます。不特定多数に見られたくない情報は、公開範囲を限定しましょう。

プロフィール情報の公開範囲

氏名、生年月日、住所、電話番号など、プロフィール情報の公開範囲も設定できます。個人を特定できる情報は、必要最低限の公開にとどめることが賢明です。

写真や動画の公開範囲

写真や動画の公開範囲も、投稿ごとに設定できます。家族や友人の写真を公開する場合は、本人の了承を得ることが大切です。

位置情報の公開

投稿に位置情報を付加する設定も、ONとOFFを選べます。自宅や職場の位置情報は、公開しないようにしましょう。

これらの設定は、SNSやブログのサービスごとに異なります。それぞれの設定項目を確認し、自分に合った設定を行うことが重要です。

■適切な情報共有のルール

SNSやブログで情報を発信する際は、以下のようなルールを守ることが求められます。

プライバシーの尊重

自分だけでなく、他者のプライバシーも尊重することが大切です。友人や知人の個人情報を、無断で公開してはいけません。

誹謗中傷の禁止

他者を誹謗中傷する投稿は、絶対にNGです。たとえ冗談のつもりでも、相手を傷つける可能性があります。法的責任を問われるケースもあるので、注意が必要です。

デマや偽情報の拡散防止

根拠のない情報や、真偽の定かでない情報を拡散してはいけません。災害時のデマは、特に大きな混乱を招きます。情報の出所を確認し、正確性に配慮しましょう。

公序良俗に反する投稿の禁止

公序良俗に反する投稿は、社会的に許容されません。わいせつな内容や、差別的な表現は厳禁です。

著作権の尊重

他者の文章や写真、イラストなどを無断で転載してはいけません。著作権を侵害する行為は、法的に問題となります。転載する場合は、必ず著作者の許諾を得ましょう。

これらのルールを守ることは、SNSやブログを健全に利用するために不可欠です。ルールを逸脱した投稿は、自分だけでなく他者にも悪影響を及ぼします。

■企業アカウントの運用における注意点

企業がSNSやブログを活用する際は、さらに以下のような点に注意が必要です。

社会的責任の自覚

企業アカウントの投稿は、企業の公式見解として受け取られます。社会的責任を自覚し、投稿内容には細心の注意を払いましょう。

問い合わせへの迅速な対応

SNSやブログ上の問い合わせには、迅速に対応することが求められます。対応が遅れると、企業イメージを損なう恐れがあります。

ネガティブな声への適切な対処

商品やサービスへのクレームなど、ネガティブな声への対処は慎重に行います。安易に削除するのではなく、真摯に対応することが大切です。

広告・宣伝の明示

SNSやブログ上で商品やサービスを宣伝する際は、広告であることを明示します。ステルスマーケティングは、消費者の信頼を失います。

従業員のSNS利用ガイドラインの整備

従業員が個人としてSNSを利用する際のガイドラインを整備し、教育を行います。企業の秘密情報や、不適切な内容を投稿しないよう、注意喚起が必要です。

企業アカウントの運用には、高い倫理観とコンプライアンス意識が求められます。ステークホルダーとの信頼関係を築くためにも、適切な情報発信を心がけましょう。

■まとめ

SNSやブログは、適切に利用すれば、自己表現やコミュニケーションの幅を広げてくれるツールです。一方で、不適切な利用は、トラブルを招く恐れがあります。

  • プライバシー設定を確認し、必要な情報のみを公開する
  • 他者のプライバシーや著作権を尊重し、誹謗中傷やデマの拡散は行わない
  • 企業アカウントは、社会的責任を自覚し、適切な情報発信を心がける

SNSやブログを利用する際は、これらの点に注意しましょう。情報の受け手の立場に立って、適切な情報共有を心がけることが大切です。

次回は、「公衆無線LANの危険性と安全な利用方法」を取り上げます。お楽しみに!

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